今回も入居審査の重要性と、私が経験した体験談をお話したいと思います。

■3人で住んでいる事実

その後、部屋に行くと、なんともう一人男が帰ってきたんです。ということは、3人でこの狭い部屋に同居しているということなのか……?!　目の前が真っ暗になりました。

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【#萩原天神駅　徒歩1分３LDK　#敷金礼金0円　広々LDK17帖の堺グランセ室内ピッカピカ】

とりあえず、迷惑をかけた入居者の皆さんに謝り、保険会社のアジャスターに物件全体を見てもらうことにしました。

入居者があまり集まらないので、入居審査を甘くした途端に起こった出来事でした。

入居者さんと話をしていると、いろんな事実を聞くことができました。

■他の入居者の評判が悪い

いつも、彼女は男と深夜に帰ってきては、大音量でテレビをつけたり、大声をあげたり、その奇行は耳を疑うものでした。

一緒に住んでいる男2人との夜の営みの声も聞こえてくるし、収集日以外にゴミを出すし、他の入居者さんは、おかしな目つきの3人に、腫れものを触るような対応をとっていたそうです。

警察を呼び、3人を連行してもらうと、やはり薬物の反応が出たそうとのこと。

まさか、自分が所有する物件でそんなことが起こるなんて……本当に信じられませんでした。

物件オーナーとして、他の入居者さんに安心して暮らしてもらうことの責任を痛感させられた事件。その責任感のなさに我ながら猛省しました。

■入居審査には穴がある

管理と入居審査をしている不動産会社も驚いていて、謝罪を受けましたが、当初入居審査を行ったときには、彼女はOLさんだったのです。

十数年入居審査を行っている管理会社の担当者も、特に何も感じず、受け入れたわけですが、ホストにハマり、1年ほどで会社を辞め、街のナイトワークに転職したようです。

しかし、当時の入居審査では、申込者がウソをついているわけではなく、真実でした。

ここで押さえておきたいのは、数年入居したもらったときには、現状報告をしてもらうことが重要だということです。

契約者の現状というのは、変化します。通常の審査では、やはりその状況変化がわからないのです。

生活態度が変わった、何だか変な人たちが出入りしている、など生活変化に敏感になるべきだったわけです。ですから、入居審査後にも、他の入居者さんと人間関係を作り、アンテナを張っておけば防げた事件だったわけです。

安心・安全な住まいをお届けするためにも、大家は手を抜いてはいけません。単に賃料をおさめてくれるかどうかだけでなく、注意不足だったことを肝に銘じるべきです。

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取材・文／紙久雄二（ベテラン大家）

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