世間の転職ブームで、悪い意味で脚光を浴びているのが、ブラック企業だ。

過剰なノルマやパワハラ、異常なまでの新人研修、睡眠時間２時間の強制労働etc…求人情報誌やサイトに高い金を支払って次々に奴隷のような転職者を獲得していくブラック企業を、食物連鎖に逆らうように喰いものにしている業者がいる。それが転職情報サイト。

かくいうオレも、そんなサイトを５年前に立ち上げて、年商８億の売り上げをたてられるようになった。まさに、ブラック企業はメシのタネになる、ブラック企業様様だ。

https://www.youtube.com/watch?v=l_LEweLzmAE

【ブラック企業ランキング】

泣く子も黙るブラック企業をさらに黙らせる手口を知ってもらって、こんなクソ企業への転職でとんでもない憂き目に遭ったあなたも溜飲を下げてほしい。

■転職サイトの仕事に誘われる

今から遡ること２年前、オレは元々、大手の求人広告企業に勤め、求人サイトのデザインなどを担当していた。しかし、不況真っただ中のこんな時代、求人広告の数など増えるはずがない。

案件がなくなれば、企業も人員削減。まずは内勤であるデザイナーなどがリストラの憂き目に遭う。いい条件を提示され、円満退社したものの再就職は難しい状態だった。

「おい、釜戸。ウチの会社こーへんか？」

失業生活が数ヶ月続き、今後のことを考えあぐねていたときに、声をかけてくれたのは以前の同僚で、独立して求人広告の会社をやっている飯田だった。

「でも、いまどき求人情報の会社やって食っていけてんのかいな？」

「アホか、ウチの顧客は増えに増えまくってるで。こんな時代やからな」

「どんな顧客や？」

■https://www.youtube.com/watch?v=ePSsldjfG7I

【武富士のブラックぶり】

「ブラック企業や。俺らがおった会社にも《掲載お断り情報》あったやろ？」

《掲載お断り情報》とは求人広告の会社の自社審査に落ちた企業のファイルのことだ。

それから話を続けると、ヤツの話は、実に理にかなっていた。最近増えている、法人格や暴力組織とのつながり、決算、賃金の支払い、社員教育などに問題アリとされる企業の求人情報をネットに掲載。マズい評判があれば、金を払わせて、その記事を削除するか、取り下げるというもの。

おかしな評判をふれまわられると、新戦力がこなくなってしまう。

≫≫“お宅の悪い評判、買い取ってください”へ続く

取材・文／片山みえ（転職ライター）

レポート／釜戸健一　兵庫県　転職情報サイト運営

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