今回も不動産への投資に強い人は“楽観主義者”であることについて、解説したいと思っています。アドラー心理学の“他人の声に左右されるな”という観点から見ていきましょう！

【楽観主義になる方法 ～ポジティブシンキングじゃないよ！～】

■《儲かる物件は“人が投げ出す物件”ということを肝に銘じる》の続き

このような投資家は、一刻も早く不動産投資家業から足を洗いたいために市場価格を見ずに安く売却してしまうことがあるんです。経験値の高い不動産投資家や不動産業者というのは、このような物件を購入する機会を狙っています。相場よりも手頃な価格で物件購入するチャンスなのです。

ですから、売却利益を得られる物件は、売却主が必要以上に悲観的になって、素早く処分をしたかった物件がほとんなのです。多くの投資家が高い収益をあげた投資物件を見てみても、共通しているのは“売却主がすぐに処分したがっている”“売り急いでいた”といううまく物件を買えたことが多いわけです。

どの地域か、どんな物件か、どのように賃貸経営を行うかより、その物件を“売り急いでいるか、どうなのか”が、高収益を上げるためには重要なのです。

自分が所有している物件で、トラブルが起こるたびに、悲観していると、投資家に収益をあげる機会を捧げてしまう“処分を急いでいる売却主”になるんです。

■今回の結論

今回の結論は、“悲観的な人は不動産投資で損をする”ということです。さらに言うと、売り急いでしまった投資物件は、売却は行わずに保有しているだけでさらに儲かっていたはずだ、ということになります。

約10年ほど前から、投資物件の価格は右肩上がりにし続け、現在でも高止まりしています。15年前～20年前と比較しても、今が確実に値上りをみせています。

例でいえば、10年前に投資物件を所有している不動産投資家は、その間に起こったリーマンショックなどの経済危機、東日本大震災などの天変地異で、投資に弱気な姿勢をとってしまい、物件を手放したくなる機会が何度かあったと思います。

ですが、見切りをつけずに物件を所有し続けた結果、ほとんどの不動産投資家が急な値上がりで恩恵を受けているはずです。現状のすべてを悲観して、早期に売り払ってしまった投資家は、価格上昇の波に乗れなかったわけです。

ですから、早く見切りをつけないために、頻発するトラブルをいちいち悲観するなということです。自分の持ち物に何か問題が起これば、ショックを受けることは当然です。

毎回お先真っ暗というショックを受ける前に、目の前のトラブルに集中して解決することによって、トラブルが発生した前よりも物件価値を引き上げられるくらいの心構えで対応するほうが良いでしょう。

投資の価値組になるためには、“楽天家”になること。それが一番です。（完）

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取材・文／久保孝義（不動産ライター）

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