■《脱法ドラッグ中毒で何を言ってるのかわからない》の続き

「結局、それから2時間のあいだは、カラスが人のこと監視している話と覚醒剤がキレた被害妄想話に付き合わされました。そりゃ、テレビでどう言えばええやわからんですよね」

というわけで、完全にイカレてしまっている相手の話は、どのように伝えればいいのかはわからないままでした。

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■様々な謎の言葉

2人目は、関西の府警に勤務する女性捜査員の矢部さん（仮名、35歳）。

彼女は、多くの不可解な事件に関与したとされる容疑者の謎めいた言葉を聞いています。

「とある女の子にイタズラをした男は、“彼女は神の子で、神に触れることって、君はあるかい？　ん？　僕はしっかりと触れたよ”と訳の分からないことを言っていました。私は、女性が巻き込まれた事案に携わることが多いので、仕方ないのですが、わいせつ事件の主犯になった男性は往々にして、ドSかドMですね」

「こんなことを言われたこともあります……」

《矢部さんが取り調べで聞いたよく理解できない言葉》

「どんな女も僕のことを相手にしてくれなかった。でも、彼女は僕をしっかりと睨みつけてくれました。しかも足まで踏んでくれて、まるで僕の女神です」（48歳／痴漢常習者／逮捕場所：痴漢していた電車内で、女性警官が確保）

「死んだオヤジの声が聞こえて、“俺の代わりにおまえがこの女をヤレ”と言った」（36歳／強制わいせつ常習者／逮捕場所：一人暮らしの女性の部屋を探しているところを職務質問され、確保）

「過疎が進んでいる自分の田舎を子だくさんにするために、嫁になってくれる女を探していた」</strong>（41歳／痴漢常習者／逮捕場所：団地内のエレベーターホールで女性を待っているところを確保）

「私は昔から女性の社会の窓を撮り続けている。彼女たちの社会の窓は常に開かれているのだ。だから、撮ったのだ」（68歳／盗撮常習者／逮捕場所：主要駅のエスカレーターで女性のスカートの中を盗撮中確保）

≫≫続く

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取材・文／林航大（ライター）

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