今回も物件オーナーが所有するマンションやアパートで起こる駐輪場のトラブルについて、解説していきたいと思います。

■家族向けではない物件は駐輪場が混乱

独身男性や女性が住む単身者向けのマンション・アパートの場合、それぞれに戸数分の駐輪スペースが確保されていればいいのですが、家族向け物件の場合、家族の一人ひとりが各自の自転車を所有していることが多いために、駐輪場がパンクしてしまいがちです。

https://www.youtube.com/watch?v=cFQxigfe7XI

【物件に駐車場は必要なの？】

「自分と妻、子どもたち一人ひとりの自転車があって当たり前」

「家族が増えたから仕方がない」

「自動車を所有しなくなったから、自転車が必需品」

など、駐輪場が満杯になると、新しい入居者や自転車を購入した入居者はどうしようもないので、物件自体のデッドスペースを見つけ、駐輪をします。これが、共用部が乱雑になってしまう初期段階になります。

自転車を駐輪していることを快諾しすぎると、段々と自転車のタイヤやスポーツ用品、ベビーカーなどの私物が放置され、その賃貸物件全体のイメージが崩壊、無秩序に荒れだします。

さらに、荒れきった共用部分は内見のときのイメージダウンにつながり、見込み客の客付けにも影響を及ぼしてしまいます。

雪国などは、冬季に屋外に自転車を放置しておくと、雪が降り、それが積もってしまい、自転車自体に錆びが出てしまいます。

また、潮風が吹く地域でもそうなります。本体自体が走行不能となると、粗大ごみ化してしてしまうんですよね。

走行不能の粗大ゴミになってしまった自転車は、退去時に残置物として置き去りにされる可能性が非常に高く、それでますます駐輪場が自走できない自転車であふれていくわけです。

粗大ゴミの放置自転車は、車体やタイヤが変形し、パンクしたりするので、すぐ判別ができます。

また、自転車カゴにゴミが積み重ねられている、ホコリがサドルに積もっているという自転車は、破損自体はなくても、長期に使用されていない放置状態の可能性があります。

置き去りにされた自転車が目立ってきた場合には、早急に物件の管理会社に自転車の所有者確認を依頼することです。素早い対処は、「高い管理がされた物件」をちゃんと維持できるし、住人のクレーム防止に繋がります。

改善方法としては、その所有物件専用の「駐輪管理ステッカー」を作成して管理したり、長期間駐車場が空いてしまっている場合には、駐車場の収入を諦めて、駐輪場へと用途変更しまうのが対処法になります。

住人が使いやすいと感じる自転車置場は、物件の価値を向上させることに直結するんです。

自転車置き場があふれている物件オーナー、自転車を共用部に放置されて困っている大家さんは、一度その原因をちゃんと分析し、駐輪対策を考察してみることをオススメします。（完）

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文／藤塚実（不動産ライター）

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