最終回の今回も日本が混乱している香港に代って、《国際金融都市》になる第一歩を踏み出したことを解説していきます。

【フィンテックとは？】

■大阪府とSBIが連携の続き

まずは、大阪。大阪府で陣頭指揮を執る吉村洋文知事は、11月に「大阪は、革新的金融都市になる」として宣言。

《国際金融都市》を目指す組織を立ち上げて、誘致方策を官と民一体となって議論するという考えを示しました。それと同時に、大阪府はネット証券の大手であるSBIホールディングスと手をつなぎ、金融派生商品（デリバティブ）および、デジタル証券を打ち出していく動きを見せています。

元はといえば、江戸時代の大阪には、世界では初となる先物取引所『堂島米市場』があり、金融派生商品の“本家”として知られています。

大阪府はこれを世界中の金融マーケットにアピールし、7月にはすでに金融先物を扱う大阪取引所へ、ゴールド、プラチナという貴金属の商品先物を移管。総合取引所を誕生させました。

■福岡市は進出支援センターをすでに開設

福岡市も負けずに名乗りを上げています。

福岡の政財官ら関係者からの組織立ち上げ、10月中央区に、海外からの企業を呼び寄せることを促進、サポートをする『GFC（グローバルファイナンスセンター）』設立。

このセンターでは、海外からの進出企業で働く従業員の就労ビザ取得や補助金申請の支援、医療や住宅など日常生活などの相談にも乗るとのことです。

■東京はフィンテック企業の進出に期待

当然ですが、首都である東京は、いわずもがな名乗りを上げます。現在、もうすでに国内や国外の金融に関する機関が集まる東京都は意欲的で、すでに海外企業の誘致に乗り出しています。

特に、国内外で大きく注目されている フィンテック（金融IT融合）企業の国内進出を狙っているようです。

■住宅賃貸やオフィス賃貸の市場が活性化する

ここでまとめておきたいのは、不動産に関する恩恵はいかほどものかという点。

海外からの資産運用会社や金融機関進出で、オフィスなどの物件需要が活発化するのは当然で、多くのビジネスマンやスタッフたちが住むためのアパート・マンションのニーズも増えると思われます。

不動産を扱う投資家にとって、今後、コロナショックが収束した後に、ビジネスチャンスに関する選択肢が広がることは当然なのです。（完）

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取材・文／羽衣雄介（ライター）

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