⑥市原刑務所

・衣食住の特色

男性受刑者を収容する関東の交通刑務所。

他の刑務所と比べると非常に小さい刑務所である市原刑務所。収容人数は公式では400人程度とされているが、実際には200人程度が収監されている。

この刑務所は一部を除いて、鉄格子や高いフェンス等がなく、休日には自由に運動や散歩ができるなど開放的処遇を実施している。

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単独室や雑居室は、職員に申し出をする際に使用する機器・報知器が手動ではなく、職員直通のインターホンになっていて、ラジオ用のスピーカーは音量調整ボタン付き。大きい窓には鉄格子などはなく、全面ガラス張りで、窓の外には芝生で覆われた綺麗な景色が…。新築マンション並みの真っ白な快適空間。

配食に関してはカロリーや病気予防を考慮し、塩分少なめ。ただ単に味が薄いだけで、病院食に近い。肉団子、シューマイ、つみれ汁、オムレツなどメニューは充実。また、一般的な刑務所よりもショートケーキやフルーツポンチなどのデザートも頻繁に支給され、ジュースと一緒に食後のデザートを楽しめることもある。

・犯罪の種類

禁錮刑を言い渡された者（I指標受刑者）、執行刑期が１０年未満で犯罪傾向の進んでいない２６歳未満の者（YA指標受刑者）、執行刑期が１０年未満で犯罪傾向の進んでいない者（A指標受刑者）を収容しています。

軽微なものから重大な交通違反者までを収容しているので、刑期が半年という受刑者も多い。

・イベント

慰問演芸、球技大会、通信教育、各種行事などが行われている。

・メリット・デメリット

メリット…

一般の刑務所とは形式が異なる開放処遇で、規制がゆるく自由度が高い。刑務官のやる気のない丸投げ感があり、あまり厳しさを感じない。

デメリット…

まず“新入寮”からスタートし、“準開放寮”へステップアップ。それからは“開放寮”、最高ランクの“希望寮”へ進むのだが、ことあるごとに規則違反や取り調べがあるので、夏は暑く冬は寒い一番粗末な“新入寮”へと逆戻りになる。

・地域色

交通刑務所だけあり、交通安全指導、交通関係法令、安全運転に関する基本的な知識の習得、教育学・心理学・精神医学など様々な観点から指導が入る。

刑務作業をするための工場に出役するときや所内での講演などで受刑者が着る正装のような市原刑務所独自の官物“通勤着”がある。見た目は上下グレーの作業着だが、いわゆる刑務所版スーツだ。（完）

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取材・文／丸野裕行（編集長）

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