数々のコラムを様々な雑誌やWebサイトなどに書いてきた筆者ですが、多くの記事を占めるのは、「低所得者層」の話ばかりです。

中でも、潜入取材をくり返していたあいりん地区（釜ヶ崎）。ご存知の方も多いでしょうが、一応説明をしておきます。

【西区浜寺石津町中　室内新築物件そっくりの一軒家賃貸 #堺市西区 #敷金礼金0円 #家賃5.2万円】

■日本一のスラム化した街

あいりん地区というのは、大阪市西成区の北にあるエリアになります。JR新今宮駅のちょうど南側の寄せ場、簡易宿泊所が集中している地区になります。通称・ドヤ街といわれ、宿泊料金が安いために、近年では海外からのバックパッカーが宿泊をする場所として人気です。

一昔前であれば、日雇い労働者や路上生活者が多く住み、住所不定の者が多くいます。実際に国勢調査でも人口統計が明あきらかにされていない地域なんですね。

宗教法人や労働組合系のNPO団体が、雑炊やおにぎり、豚汁などの炊き出しを頻繁に行い、実施されるときには西成名物の三角公園などに人が列をなしていることもよくあるのです。

体験取材をした際に筆者も炊き出しの雑炊を食べたことがありますが、味はまずまず。仕事がなくても、最低限の食事には困らない地域になります。

■ヤクザが仕切るギャンブル場があった

さらに一昔前であれば、違法な公営ギャンブル場（サテライトスタジオ＝通称・ドーム）などがあり、生活保護費をギャンブルなどで使い果たした労働者やホームレスたちが無料でふるまわれるカレーやおにぎり、みそ汁などを食べることができました。

もちろん仕切りは、暴力団。西成区内には、多くの暴力団事務所があります。警察の取り締まりによって、ドームは閉鎖されましたが、ドヤ内でボン（賭場）がたっていることが多々あります。

■西成が激変しつつある

ここら一帯の労働者の高齢化がかなり進み、日雇い仕事も数千件程度に落ち込み、バブル経済で日本が沸いている時期と比べ、30％程度に減少しているようです。そのために、労働者の無保険化が進んで、日雇い労働者の多くは「生活保護」の予備軍になっているそうです。

大阪市は、病巣のようになってしまった西成区にメスを入れるべく、隣接している地価高騰中の阿倍野エリアの延長として、西成区のクリーンアップを図ろうと画策中。年々、西成でさえ建物の高層化が進み、低所得者層が追いやられることになりそうなのです。

≫≫『西成への不動産投資は効果的か？』へ続く

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文／丸野裕行（編集長）

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