今回も嘘をついて、物件の囲い込みを行う不動産業者の手口について解説していきたいと思います。

■売主から不動産会社の嘘が聞かされる

内覧の当日にお客様が時間に間に合わなかったので、先に売主とお会いしてお話をうかがいました。すると、本当にビックリするほどの考えられない嘘を不動産会社から吹聴されていたわけです。

【西区浜寺石津町中　室内新築物件そっくりの一軒家賃貸 #堺市西区 #敷金礼金0円 #家賃5.2万円】

その中でも、一番驚いたのは「あなたが所有するマンションは、欠陥があるために住宅ローンを利用することができないので、現金購入する買主を見つけないといけません」と断言されたとのこと。

私たちは「嘘だぁ～！」と信じることができなかったのですが、売主は真顔でそのように言ったわけです。

売主自身が住宅ローンを組んでから購入をされているので、それが嘘だとすぐにわかるはずの嘘。このような嘘をつくことも、売主が勝手に買主を見つけて売らせないようにするためです。

買主自体を不動産会社側で見つけられたとすれば、仲介手数料を二重取りするためにこのような嘘をつくのですから、救いがありません。

私も長く不動産業界に身を置く立場ですが、こんなにいい加減な不動産の営業を見たこと、聞いたことはありません。

売主が所有するお部屋は、角部屋で実に広く、室内は明るく、窓から望める森の緑も気持ちいい素晴らしい物件でした。

それに、設定されていた価格にも騙されていたことがわかりました。周辺相場の価格よりも500万円程度低い価格設定がなされていたのです。

結局は、売主は500万円をUPして売却再開し、買うはずだったお客様は予算オーバーになってしまい、見送りになりました。

不動産業者が自社の利益を獲得するためにおかしな細工をした結果、売主も買主も非常に不本意な結果となり、このような囲い込みを法整備を進めて禁止しないと、こんな悲劇が繰り返されることになると思います。（完）

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文／加山実（不動産会社勤務）

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