告白者／郷田博夫　39歳　ストアマネージャー（店長）

【ここでいう“店長”というのは管理職に当たらない。社員・アルバイトと同じように、残業代を支払わなくてはならない…】

数年前の１月28日、東京地裁で行われた裁判において、Mに未払い残業代５００万円の支払い命令が下った。支払う相手は、直営店店長の男性。彼は名ばかりの管理職に仕立て上げられ、支払われるはずの残業代をカットされたのだ。

【#堺市西区　敷金礼金0円　家賃5.2万円　西区浜寺石津町中　室内新築物件そっくりの一軒家賃貸】

昼夜を問わず、過酷を極める労働を強いられ、まさにビッグMに挟まれるようなギュウギュウの生活を余儀なくされた彼。

先日、彼と同じ境遇に陥り、脳梗塞に倒れた50代の元店長に、労災が認定されたニュースは日本中を駆けめぐった。

かくゆうオレも彼とは同志。オレは、中部地方にある大型店舗の現役M店長を務めている。今回の裁判で、残業代問題が噴出した、大手外食チェーン店の劣悪な労働状態。今日は、最悪の労働状況を語りたいと思う。

■社長が変わって“成果主義”になった

オレが『M株式会社』に新卒入社したのは、平成５年春。

マネージャートレーニー(見習い正社員)として入社したオレは、ベテランのクルートレーナー（非正社員のクルー教育者）にこき使われ、研修カリキュラムに追われながら新社会人生活をはじめた。

[先輩]

「郷田くん、何やってんの?!　バンズが焦げてるよ！」

[オレ]

「は、はい！　すいません！」

店舗実習（ＯＪＴ）からはじまり、プレクラス、ＨＵクラス、アフタークラス、ベリフィケーションと研修メニューをクリアし、次のレベルに進める。

バイトから出世する叩き上げのスタッフが多い中、オレは一目置かれるほどガムシャラに仕事に没頭した。その後、“セカンドアシスタントマネージャー”に昇格。バイトクルーたちと楽しみながら仕事を続け、中部地方の複数店舗に勤務し、着実に店舗目標を遂行しようとする店長をサポート。

“ファーストアシスタントマネージャー”に格上げになったあと、平成14年の入社９年目に店長（ストアマネージャー）に昇格した。バイトの女性クルーといい仲になって、結婚。ここで働いていると、店内恋愛には事欠かない。それは全国的になど思う。

マネージャーユニフォームなどタイトルアップした制服を着るとなぜかそれだけでかっこよく見えてしまうらしい。既婚者のほとんどは、現場で相手を見つけるのだ。

一子儲け、忙しいながらも幸せな家庭を築くことができた。

が、しかし、生活環境がガラリと変わる事件が起こったのは、平成15年。創業者・FからH（現）CEOに変わった年である。

≫≫続く

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文／丸野裕行（編集長

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