リポート／杉田和海(仮名)　31歳

人材コンサルタント会社勤務

第3回の今回も現在活躍中のヘッドハンターの手口について綴っていこうと思っています。

不動産業界でもよく使われるそうなので、しっかりとフェイクかどうかを見極めましょう。

■求人は「先輩からの一言」を重視の続き

二言目には働く時に重点を置くのはどこかをまず聞き出します。相手が何を求めて心を動かすか。給料、人間関係などの環境、仕事観の尊重、会社の規模、成長できる環境かどうかなど、計６つくらいを質問します。

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ちなみにＩＴ系は環境を挙げる方が多いのです。変わり者が多いというか、おかしな輩が多いのです。

それから、食事を摂りながら、自分の仕事への姿勢を１時間ほど熱く語ってもらいます。人は自分のことを話すのが好きなもの。相槌を打って、話を盛り上げます。

でもコンタクトをとっても、最初に会ってから実際に転職の手伝いをできるまでには、短期間～1年以上時間を経過するケースまであります。

■飼いならすための手口

ツバをつけて飼いならしておく必要があるんです。もちろんかかった飲食代や工作費、経費は依頼会社持ちです。

でも、複数の職種のビジネス用語で対等に会話ができるほどの知識は、毎日勉強しなければいけません。これにはいつも苦労させられます。800万円の年俸なら良しとしないといけないのかもしれません。

■女性ヘッドハンターの奥の手とは？

今までに私がハンティングした人数は18人。2年間にしては優秀なほうではないでしょうか。もちろん正攻法で、しっかりと時間をかけて落とす場合もあります。

でも、私は女。簡単な方法があります。上司に言われていたとおり、私は一番の武器を生まれてきたときから持ち合わせていました。

「最近、なかなか結果が出なくて…」

「どうしたんや、杉田さん」

「オファーのある企業、絶対にいい新天地よ、望月さん。あなたの実力に合致したポストを用意してあるっていうのに」

「ううん。でも、これでなかなか腰が重くてなぁ…嫁もうるさいし」

悩ましげに見つめる私の目に、相手がゴクリとのどを鳴らすのがわかりました。そのまま部屋へ。そして、ピロートークでは最後にダメ押しのひと言。

「奥さんの言うことなんて聞かないで。会社を替わってくれたら、私と付き合えるのよ」

「わかったぁ……。なんでもするから！」

こうして、男たちは転職し、私のために一生をその企業で終えるんです。彼らのおかげで私の収入は、1200万円を超えました。

≫≫続く

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取材・文／新島洋子（ライター）

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