今回も、銀行やローン会社が資産内容について、どのような部分を見て、どう捉え、どのように融資を決めているのか、不動産賃貸業以外の投資について、どう判断しているのかをレクチャーしていきます。

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■銀行は投資資金を貸し渋る

以前から、これがはじまったわけではなく、日本がバブル景気に浮かれていた時までは、相当数貸し出していました。しかし、バブル経済が崩壊し、貸し倒れを多数出すという手痛い目を見てしまったために、融資の方針を大幅に変更したということです。

ある時期には、株式への投資資金だけでなく、不動産への投資資金も融資不可という時代がありました。バブル経済が崩壊した時期には、地価が大幅に下がり続けて、不動産への融資がかなりの数焦げつき、相当数の銀行が破綻、銀行同士の救済合併があったりと、目も当てられないという頃もありました。

今、バブル崩壊の時の困難さを実際に現場で見つめ続けていた銀行員がその銀行の中枢を担っていて、その時代のトラウマが消えていないのです。そのために、平成から令和に変わった新時代になっても、この融資方針は大幅に変わることがないと考えられます。

■いろいろな投資法に対する金融機関の考え

さて、ここからはそれぞれの投資手法の例をあげ、解説していきます。

・海外での不動産投資

日本国内の物件と海外にある物件への不動産投資は、まったく別物だと考えられます。不動産に関する財産権への考えが、それぞれの国により、異なることがあるんです。

個人の投資家が投資を行う規模の物件評価というのは、その銀行で融資を行っている場合、収益の還元法を見るのではなく、積算法を用いて評価することが常です。

ですから、海外物件への評価というのは非常に難しくなります。ほとんどの銀行は、海外にある不動産を、評価したり、査定したりするスキルやノウハウを持ち合わせてはいません。

保守的な主義の観点から見て、評価しづらい物件は、0円査定されることすらあるんですね。

特に、竣工が予定している機関より遅延している場合（プレビルド）は、その流れが強く出ます。
銀行よりの融資を受け、日本国内の不動産投資を進める場合は、海外にある物件には、自己資本を充実させるまで、手掛けないのが得策かもしれません。

・太陽光発電への投資

土地を買うか、賃借し、発電設備を置いて、それを稼働させて収益を得る太陽光発電ですが、不動産への賃貸業と非常に似ている投資になります。

梅雨、秋の長雨、冬の雪など天候に左右され、発電量の変動はあるのですが、固定価格で電力会社が買い取ってくれるので、一定の期間はその収益は安定します。

設備に関しては、税法通りに減価償却することで、簿価評価され、バランスシートを損なうことは少ないと考えられます。

ただ、買取価格は、下落の傾向にあり、新規投資は、綿密に事業計画を練ったほうが賢明です。

≫≫続く

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取材・文／神山隆二（不動産ライター兼プチ大家）

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監修アドバイザー大川貴仁

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