関東や関西など全国に散らばる半グレ団体やヤクザといった、いわゆる反社会的勢力というのは、常に《金》につながる稼業を模索中です。寝る間を惜しんで、詐欺手口などを考えているわけですから、当然ですよね。

今回は、そんな半グレが不動産詐欺事件を起こした実例のお話をしたいと思います。

■どのような手口が横行しているのか？

半グレのシノギは多岐にわたります。違法リフォームを行っている建設業者の中に溶け込んでいたり、地上げ行為や不当な住宅部品交換業務、まったくといって価値がない土地売却詐欺（原野商法）などなど不動産業者の中にも付け入っているそうです。

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近年、暴力団対策法や暴力団排除などの締めつけが厳しくなり、暴力団の組員が一般社会の中で生き続けることが難しくなってきました。生活が困難になってきているために、ヤクザを辞めたことにして表向きは一般人を装い、悪事に手を染める者が増加してきたわけです。

例えば、50代から60代の暴力団員が、組を辞めて半グレになる場合があります。ですから《半グレ＝若者》というわけではないわけです。

半グレは、警察でも充分な把握できないほど、私たちが住む社会に溶け込んでいます。半グレという犯罪者を見分けるのは非常に難しいといえるでしょう。

■半グレが起こす不動産詐欺

とある不動産業者から、戸建て住宅の売買をめぐり、直感的にどうも違和感があるので「相談にのってもらえないか？」と依頼を受けたことがあります。

話を聞き、いろいろと調べを進めると、様々なことが判ってきました。この戸建て住宅の所有者は身寄りすらなく、認知症になって介護施設に入っているということでした。

ですが、筆者に相談をしてきた不動産業者は、当たり前のようにその戸建ての中で所有者と面会し、交渉していると言っています。これはおかしい。

■身分証明を偽造

さらに調査を進めると、事実が判明したのです。なんと、実の所有者が施設に入っていることをいいことに、半グレ集団のひとりが所有者の替玉になって、不動産売買をし、不正な利益を得ようと画策していたのです。

その成りすし犯は、謄本や身分証明なども偽造していたそうです。筆者からすれば、半グレレベルではなく、凶悪犯の部類に入ります。半グレは、この事件のように巧妙な手口で凶悪犯罪を繰り返します。（完）

≫≫続く

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文／丸野裕行（編集長）

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